【全文書き起こし】『ギータ・アイアンガーの女性のためのヨガ大全』出版記念ワークショップ

2022年7月31日、ギータ・アイアンガー(*1)著『ギータ・アイアンガーの女性のためのヨガ大全(アサナ・呼吸法・瞑想)』出版記念ワークショップを開催しました。アビジャータ・アイアンガー先生(*2)と水谷さおり先生(*3)に登壇いただきました。本記事では、同時通訳されたワークショップの全文書き起こしをお届けします。

(*1)アイアンガーヨガの創始者B.K.S.アイアンガー師の長女
(*2)B.K.S.アイアンガー師の孫娘。インド・プネーのラママニアイアンガーメモリアルヨガインスティチュート(RIMYI)を運営。
(*3)日本アイアンガー協会理事長


【全文書き起こし】『ギータ・アイアンガーの女性のためのヨガ大全』出版記念ワークショップ


【UTL】
本日はUTL『ギータ・アイアンガーの女性のためのヨガ大全』出版記念ワークショップへご参加いただき、ありがとうございます。
日本語版を出版いたしました、アンダーザライトヨガスクールの守田と申します。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
現代ヨガの重要な流派を作ったアイアンガー先生のお知恵を、お孫さんであるアビジャータ先生にご紹介いただける貴重な機会を持てたことをとても嬉しく感じております。
では、講師の先生にご挨拶を少しだけいただきたいと思います。
アビジャータ先生、よろしくお願いいたします。

【アビジャータ】
アビジャータです。
皆さんに会えて嬉しいです。

【UTL】
ありがとうございます。
日本アイアンガー協会会長水谷さおり様、よろしくお願いします。

【水谷】
よろしくお願いします。
水谷さおりと申します。

【UTL】
本日通訳を担当いただくミキコさん、よろしくお願いします。

【ミキコ】
よろしくお願いします。

【UTL】
それではまず、日本アイアンガー協会水谷さおり様にご挨拶をお願いいたします。

【水谷】
和美さん、この度は『ギーター・アイアンガーの女性のためのヨガ大全の出版』、おめでとうございます。
写真と説明が一緒に書かれていて、とても使いやすくできていると思いました。
私が8年前に南米ペルーにて、ティーチャーズトレーニングに参加した時、A Gem for Womenは必読書でした。
日本に一時帰国した時に、日本語版を購入しようと探しましたが、日本では出版されていないことに驚きました。
初めて出版されてから40年後に、日本語版がこのような形で出版されたことをとても嬉しく思います。ありがとうございました。

【UTL】
水谷先生、ありがとうございました。
ではここから、アビジャータ先生に出版記念ワークショップのクラスをご担当いただきます。
アビジャータ先生、よろしくお願いします。

【アビジャータ】
今日ここにいられることを喜ばしく思っています。
私もギータジーの一人の生徒として、今日ここにいられることを嬉しく思っています。
それから、日本のお友達の皆さんといろんなお話をシェアリングできるこの機会をとても嬉しく思っています。


アビジャータ


この本ですね。この出版記念イベントです。
ギータージーのもとで時間を過ごしてきたわけですが、ギータジーは私だけではなく、全ての女性にとっての輝く宝石のような存在です。
だから、そのような偉大な方々からこのようなマスターピース、偉大な本が世に出せたのだと思います。 ギータジーが本の冒頭で書いています。
彼女のお母さんが、この本ができたことは母親の恩恵によるものだと。ラ・ママに、ギータジーのお母さんに。
ラ・ママ、お母さんが言いました、「あなた、それを書いたほうがいいわよ」と。
お母さんのおすすめだったわけです。
「あなたが持っているその知性をしっかり伝えなさい」と。
やらなければならないとお母さんがサポートしました。
神は女性に対して、たくさんの恩恵を与えてくださった、それをギータジー、あなたは伝える立場にある、と。

ヨガ的な書物には、女性というのは自然に例えられます。
自然というのは、永遠な可能性を秘めています。
パッと辺りを見回して自然に目を向けてみると、とても美しく、生き生きとしています。
ヨガで言っていることというのは、女性というのはプラクルティ、自然である。
女性に何か変わったものが特別に授けられていると言っているわけではない。女性だけのためのものではない。女性に限定していない。
ヨガというものを考えた時に、女性を包括している、何か限定して女だけというわけではなくて、包括するものであるということです。


アビジャータ


女性というのは、生理的な変化が人生の中のステージにおいて訪れます。
それは月経や妊娠、出産、そして更年期、年を取るということです。
女性にとってそれぞれのステージにおいて、体にもマインドにも変化が大きく訪れます。
そして、ヨガが適用できるわけです。
その体とマインド、いろいろな変化を経ていく時に、体とマインドを健全でいられるようにするために、ヨガはギフトである。
ギータジーのことをご存知の方はよく知ってらっしゃるかもしれないけれど、ギータ先生にまつわるお話をみなさんはご存知ですか。
例えば、何がきっかけでギータジーがヨガに出会ったとか、そういうお話。○か×か。

グルジと同じだが、ギータジーも生まれた時にすごく虚弱体質だった。
あまりに虚弱体質で、病気がちだったので、ある時お医者様が「この女の子は生きられませんよ」というふうに言いました。
子供の時に病気がちで入院をしたのだけれど、一時的に家に帰る機会があった。
その時にお医者様がものすごく長いお薬リストを出した。どれくらい長いかと言ったら、私たちがクラスに出た時にバーッと書くノート、シークエンスとか書くアサナの、それくらいの長いリストだったかもしれない。 彼女が病院からリリースされて家に帰った時に、グルジが彼女に言ったことは、「このお薬のリストは横に置いておいて、君はヨガをやりなさい」。
彼女は腎臓にも問題があった、肺にも問題があった。ですから、グルジがよくおっしゃっていたのは、「あなたが長く生きられるとしたら、それはヨガの恩恵そのものである」と。
その日に彼女はヨガを始めた。その日に始めて、毎日ヨガから離れることはなかった。2018年に亡くなるまで。

ギータジーがおっしゃった、「グルジの生誕100年は祝うことが必要だ」と。
「私がリードするから、生誕100年のお祝いをする」。
そのイベントは12月14日に終わりました。その2018年12月14日のイベントの終了したのちに肉体を離れられた。
彼女の人生をまるで早送りして小さい頃から亡くなるまでを見ると、ヨガの目的から始まり、その目的をずっと継続して亡くなるまで、目的はヨガだということで全うされて体を去られた。
そして彼女はヨガによって,健康を得た。
そして、人間性に対する愛、そして、生徒に対する愛。その愛をもって私たちにヨガを授けてくれた。
この本はいわば、ギータジーが持っていた愛、ヨガへの愛、そういった生徒への愛の結果である。
そしてこの愛というのは、全ての女性にとってのコア、中心そのものだ。


アビジャータ


自然は女性というものを作った、その女性というのは創造するもの。愛の表現とも言えるでしょう。
自分の母親のことを少し考えてみてください。
きっと母の愛というものが皆さんのマインドに浮かぶのではないでしょうか。
母として、女性というのはいろんなものを犠牲にして、愛というそのものにある。
そしてとても大変です、母であることは。
その時代を越えて、1980年代であろうと、今日の2022年であろうと。
愛という軸にあるものというのは、なんら変わりがない。
女性がヨガという練習をする。そうすると体とマインドに健康が宿る。
そうすると、精神的にもとても強い女性として生きられる。
アサナやプラーナヤーマの練習をすれば、私たちはとても繊細に、そして識別できる能力が養われます。
こういうことが宿ると、正しい姿勢で人生に向き合えることの助けになる。
だから、古の智慧というのは私たちに教えてくれている。
将来の国々の存続は、健康があってこそ繁栄するもの。
自然は私たちに責任を授けています。
この女性性というもののありがたみを感じて、意識して、ヨガという教え、先生から伝わるそれらに感謝して練習していきたいですね。

ギーター先生はレクチャー、講義が好きな方ではなかった。
「私はハードワークをさせる1時間のレクチャーをあげられるよ」と、よくギータジーはおっしゃっていた。
「だけど、10分ハードワークをやってもみんなはついてこないじゃないですか」とおっしゃっていた。
意志であるとか、やる気とかいろんなことが関係してくる。
講義というのは、現実ではない。
理論や概念を捉えることはできる。
しかし、アサナと向き合う、人生そのものと向き合う、これはハードワークを通して実際のものとして習得していくものです。
ですから、ここから練習を通して、プラクティスを通してこういうものの理解を深められたらなと思っています。

まずはクラスをスタートするにあたって、インヴォケーションから始めたいと思います。
ご存知の方は一緒に唱えて、初めての方は聞いていてください。
パタンジャリへのインヴォケーションです。
パタンジャリというのは聖人ですね。
科学者であり、言語学者であり、哲学者であり、古の教えを伝えてくれた人。
両手を合わせます。背骨を立てて。肩を後ろに回転させて、胸を開いていきます。


<インヴォケーション>

アビジャータ


頭を胸に垂れ、姿勢を緩めます。
立ちます。

女性の特有として、何もかも準備できていないといけないみたいなところがあります。
人生には全く予期せぬことが次々と起こります。

両足を揃えてタダーサナで立ってみる。
自分自身を人生に挑む準備ができたという、そういう質を作っていきます。

腕を下に伸ばす。高くそびえ立つように。
このイベントに皆さん申し込んだわけですから、コミットするぞと受け入れたわけですね。その心境です。
今タダーサナで、自分のコミットメントがしっかり表現されなければいけない。
胸を引き上げる。
指を後ろで組んで、腕を下に伸ばす。

肩を後ろに回転させて、下に伸ばす。
指を組み替える。
画面に対して正面に立っていない方は、首を横に折れて見ているけれど、それをしないでください。
必要なら画面に向かって練習して。
両腕を下にしっかりひっぱる。
腕を下に、解放。
右足を上げたヴリクシャーサナ。

片足でバランスをすることを学ぶ。
腕をウールドヴァハスターサナ。
上げます。
揺れるようであれば、壁の近くで練習してください。
右膝を後ろ脇から引き上げる。
膝を後ろです、骨盤の領域はしっかり開いていくように。
解放。

グルジはよくおっしゃっていました。
「このアサナというのは別に体だけの話ではない。マインドが働いている」。
厳密にいうと、体よりマインドのほうがもっと働いている。
ですから、ヴリクシャーサナで入っていたら、マインドは曲がっている膝をもっともっと後ろにやらないといけないんだということを、自分でマインドに働きかける。

やります。
どれくらいできるか、できるところまでやってみようということであればできません。女性はそういう質ではない。
太ももと膝を後ろにプッシュする。
ウエストのコーナーを上へ引き上げる。
脇胸を上に引き上げる。
解放。


みなさん、ヨガをやったことがない方は手をあげてください。何人くらいいるか見たいです。
0人ですね。
みなさんアルダチャンドラーサナをご存知ですね。
フラフラしたり、腰が痛かったり、何かサポートがいるようであれば壁にやる。
これがアサナです。降りてきます。

全てのアサナをやる時、自分の背骨の健康を促すようにしなければいけない。
背骨というのは、人間の全ての活動において影響します。
背骨が役割を果たすことなく、何らかの活動はできえない。つまり背骨は全てに関わっている。
もし背骨の調子がよくないと、例えば落ち着きがないとか、イライラするとか、不安になるとかに影響します。
ですから、腕と足がしっかり参加しなければいけない。

足を広げます。
右足外回転。ウッティタトリコーナーサナにまた入る、吐く息で。
上の腕を真上に引き上げる。
みんなやる、一緒に。
頭後ろ。
頭を後ろに持っていって、自分の背骨がアクティブになっているかよく観察する。
右のお尻がぐっと前に入ってくると、背骨がどのように影響するか観察する。

膝を曲げてアルダチャンドラーサナに続いて入ります。
左足を完全に伸ばす。
左の腕もしっかり伸ばす。
胸骨を前に開いていく。
胴体をしっかり回転する。
脇をしっかり開いて、胴体回転してからです、降りてくるのは。
吐いて出てくる。
上がってきたら反対側いきます。


アルダチャンドラーサナ


肩甲骨というのは、私たちの気分にとても大きく影響します。
女性というのはホルモンが絶えず周期がありますから、気分というのが変わりやすいです。
男性というのは気分が変わったらただ起きているだけかもしれない。
女性というのは、ちゃんとそこに理由づけがあります。私たちはホルモン周期があるから。


吐いてポーズに入ります。
進んでください。
アルダチャンドラーサナに移行します。
上の腕をまっすぐ。
右の足をしっかり伸ばす。
頭後ろ、お尻入れる。
胸骨前。
胴体を完全に回転する。
胸骨を前に持ってきて胴体を回転する。
もう1回同じことをやります。
3回目、胴体を完全に回転。
吐いて降りてくる。
吸って上がってきてタダーサナ。
両足揃えます。

ヨガのアサナというのは、女性のいかなるステージ、あらゆるステージの助けになる。
生理が始まったばかりの人にとっても、少女にとっても、あるアサナはすごく助けになる。
アルダチャンドラーサナ、今のポーズがそうだ。
生理のみならず、妊娠中、出産、そして出産後、それぞれのステージに役立ちます。
小さい頃、生理が始まった頃にアルダチャンドラーサナをわかっていれば、それぞれのステージに、ポーズに対して知識が増えますから、すごく役立つポーズになっていきます。

アドームカシュヴァナーサナ。
女性でとても大きなストレスに向き合っているとか、緊張があるとか、そういう時。
そしてその女性は、家庭の健康の責任も担っているわけです。
アドームカシュヴァナーサナ、ウッターナーサナというのは、そういう女性にとって助けになる。
ストレスや緊張と向き合うために。


ダウンドック


股関節を引き上げます。
太もものてっぺんを後ろにプッシュする。
脇の下全部を伸ばせますか。
吐く息で脇の下を足に向かって開く。
3回吐く息で、胸椎を体の中に入れる。
3回です。
上がってくる、タダーサナ、両足を閉じる。

今の少ない時間でも、アサナがマインドにリフレッシュ効果をもたらすことに気づくでしょう。

ヴィラバドラーサナⅢ
このポーズというのは、戦士に対する、捧げるポーズです。
女性というのは、いろいろな状況において、いろいろな対応をしなければならない。
忍耐強くなければならない時もある。
理解が深い状況、理解を深める必要がある。
母として、守る人としてあらゆる状況において、女性というのは自分の対応方法というのをいろいろ変えなければいけない。


ヴィラバドラーサナⅢ


ウパヴィシュタコーナーサナで皆さん座りましょう。

ギータジーは未婚、一度も結婚をされていません。
女性が物理的に母親になっているのか、そうでなくても、女性として世話をするという性質、誰かを見守ってあげるという性質は誰しもが与えられた性質です。
物理的に母親であると、その性質が見えやすいだけ。
そうでなくても、女性として、本能としてそういう性質を持っている。
もう一回ヴィラバドラーサナⅢをしますけれども、アサナというのは違うアプローチで取り組めるということを理解してほしい。

足を大きく広げて、準備をします。
意志だけやろうと思わないでほしい。
腕を上に上げます。
足を回転、胴体を回転して準備をします。
今皆さんは肘を絶対にまっすぐにすると意識してください。
吐いてポーズに入ります。
肘は絶対に曲げちゃいけない。
肘をまっすぐにすることだけに瞑想している。
キープ。
肘をそのまままっすぐなまま脇の下を一層伸ばす。
吐いて、出てきます。
反対。
足を回転して、胴体を回転して。
入ります。
今度は上がっている膝を絶対に曲げないことに集中します。
右の膝は震えてはならない。
指先を指先より奥に伸ばす。
奥に伸ばさなきゃいけない。
もう1回、指先をさらに伸ばす。
降りてきます。
タダーサナ。

アサナというのは集中力を養います。
皆さん、ギータジーと一緒に勉強をしたことがある方、手を挙げてください。
思い出せますか。
ギータ先生のクラスでマインドがどこかにいくことがなかったと思います。
今、肘とか膝に集中してポーズを取りましたけども、マインドはどこか外にいっていますか。
あるいはその集中していたところにしっかり入り込んでいたか。
しっかり体の中に入っていましたよね、どうでしたか。
皆さん、ギータ先生のクラスに出ていらっしゃる方は覚えていると思いますが、マインドがどこにもいきようがない。
ギータジーは彼女の指導法を教えるテクニックが、マインドと体が完全に統合するように、そのように教えることに卓越していた。

バッタコーナーサナに入ります。
ブランケットをロールしてほしいです、ある方は。
ベッドシーツとか使えるものでいいですよ、 ある方はブランケットを。
畳まないでくるくると、固く。
そしてその丸太型のものを縦に置いて、そこにバッタコーナーサナで座る。
お尻が中心から離れるように使います。
手は、ヒップを骨盤の近くに置いて、胴体をしっかり上に引き上げる。
このポーズでは骨盤の領域、恥骨の領域がよく開きます。
内臓の体の部分がしっかり引き上がりますね。
女性として、このアクションがとても重要になってきます。
下腹部の内臓の部分が下に落ち始めると、子宮とか骨盤底のエリアの健康が損なわれやすい。


バッタコーナーサナ


皆さんの職業がなんであれ、例えば弁護士、芸術家、指導者などであれ、このような状況がありますよね。
こういうふうになってほしくなかったな、という難しい状況と直面するシーン。
そういう状況をみなさんの頭の中でちょっと想像してみてください。
そういう状況にいたくなかったけど、そこと直面しないといけないようなシーンです。
例えば、来てほしくなかったお客さんにご飯を作らなきゃいけないとか。
そのようなシーンで、私たちはおそらく皆さん経験されているでしょう、イライラしたり、感情が出てくる。 体とマインドが、いわば摩擦を起こしているような。
その時、私たちはハッピーな気持ちでない。
簡単であろうと、難しいであろうと、その体とマインドが好ましい状況で統合していると、その仕事が難しかったとしても、そこをやりたい方向でやっていれば、体とマインドが融合していれば平和を感じる。そうじゃないでしょうか。
まず、アサナの練習を通して、マインドをこの体に紐づけておく、置いておくということを勉強しているわけです。
マインドというのは、すぐ外出したがります。正しい練習を通して私たちはマインドを体の中に宿らせ続けることを勉強している。

ハンドスタンドの練習をしましょう。
ハンドスタンドをしない人はウルドゥヴァナハスターサナ、ウッターナーサナ、アドムカシュヴァナーサナをします。
数回してください。

先ほどの繰り返しですけども、体とマインドをつなげた状態でこの人生に向き合うことが助けになるわけです。

ウシュトゥラーサナをします。
生理中の方はウシュトゥラーサナをしませんので、ヴィラヴァドラーサナⅠをしてください。
もし、腰の調子が悪いとか、背骨の調子が悪いという方は,痛みがある人は前屈のシリーズをやってください。
ただ、今ウシュトゥラーサナをすると体がまだ準備できていないなという感覚があるかもしれません。
ずっといなくていい、一度出てきて、繰り返していいです。
ウシュトゥラーサナがうまくできないからrope wallに行きたい人はそれでもいいですよ。
どのポーズを選んだとしても、皆さん、胸骨を完全に開いてほしい。
このように胸、胸骨をしっかり開くとどのような状況においても感情がしっかり表現されるようになります。 感情と向き合える。
ウシュトゥラーサナであろうと、ヴィラヴァドラーサナⅠ、あるいはrope oneでも。
みんなポーズ出てきてください、見てください。
この胸骨、 胸骨の上部と底部があります。 これが胸骨の下と上。ウシュトゥラーサナに入る時、このように胸骨の下から上のほうに動かすように引き上げてほしい。
rope oneでもそうです。下から上へ。
ヴィラヴァドラーサナⅠも下からトップに胸骨を引き上げてポーズを取る。


ウシュトゥラーサナ


やります。
お尻体に入れる。胸骨を動かして、頭を後ろに持っていく。
ポーズから出てくる時も胸骨を縮めてはいけない。長い胸骨で上がってくる。
胸骨を長くして出てくる。
座ります。

このようにすれば、呼吸が切れるような感覚がないはずです。
さっと入ってしまうと、ポーズにキツさ、攻撃性みたいな質が出てくる。
ウパビシュタコーナアーサナかバッダコーナアーサナ。
ジェントルヨガでは、ポーズをこうやって入ったり出たり、いろんなポーズを入れて教えますか。
もちろん、頑張って何とかポーズに入らなきゃいけないっていうようなアプローチもあります。
今言ったようなアサナであろうと、人生のシチュエーションであろうと,頑張ってやり遂げなければいけないような力、力付くで入らなきゃいけない時もあるし、冷静さをもって、冷静に向き合って入る必要がある時もある。
ですから、このように考えると、アサナというのは人生そのものを鏡のように見せてくれる。

ギータジーはとっても厳しい時がありました。
足はまっすぐでなければならないといったら、それ以外の例外はなく。絶対にまっすぐにしなければいけない。
時にギータ先生は、とっても優しいアプローチを取られたときもあった。
健康でハッピーに、そういった人生を送るために。
私たちはどういうシーンの時に、一生懸命力を持って挑まなければいけないか。
あるいは優しくやわらかにアプローチしたほうがよいか、その反応を知っておきたいものです。
例えば、ウシュトラーサナやヴィラヴァドラーサナⅠで肘をまっすぐするとか、お尻を体の中に入れなきゃいけないというのは、優しくアプローチできません。
みなさん、ウパビシュタコーナアーサナに座って、パールシュヴァウパビシュタコーナアーサナに入ります。

右に回転します。
前にいきます。
右側のパールシュヴァウパビシュタコーナアーサナに入ります。
これを力付くでいこうとすると、背中がついてきてくれないと思います。
例えば、力付くで入ったところで、呼吸が苦しくなったり、お腹が硬かったりするでしょう。
みんな右膝に枕とかボルスターを置いてください。
完全に深く入らずに、少し軽減の角度で入るということ。
ギータ先生というのは、ものすごく頭脳明晰な方で、どういうシチュエーションで何をすべきかというのを、ものすごく速やかに仕分けて指導できる方でした。

頭を支えることで、呼吸とともに左の胸を右の方に回転させる。
吐いて左のお腹を右の方に回転させる。
そして、息をしっかり吐き切ったら、下腹部の低いところから前に滑らせるように伸ばす。
吐く息とともに、背中側が床のほうに緩んで降りてくるように。
もう一度です。
吐く息で背中、腰、低いところが床のほうに降りてくる。
吸う息で上がってきます。
今のマインドの状態がどういう質か気づいて観察する。

ヨガというのは私たちを繊細にしてくれます。
iPhoneとかでセルフィーを撮る時がありますね。
今、そういう気持ちで自分自身をセルフィーしているように、自分の状態を観察します。
同じパールシュヴァウパビシュタコーナアーサナを少し、力で入るようなアプローチを今から指導します。

吐く息でポーズに入ってください。
肘を外膝に引っ掛ける。
みなさんもこのように回転してほしいです。
生理中の人は、これはお腹に負荷をかけますので、やりません。先ほどのアプローチでやります。


パールシュヴァウパビシュタコーナアーサナ


では入ります。
吐いて、右の胸をよく回転して。
吐く息使って、下腹部をぐっと回転する。
右の膝が左の太ももを越えてほしい。
吐く息でそのへそをしっかり太ももの外側に。そして吸って出てくる。

今セルフィーで自分の状態を観察してください。先ほどのアプローチとの違いを捉える。
どうでしょう。
ですから、今自分が置かれている状況に応じて、ヨガの練習というのは調整されなければいけない。
ヨガというのは、私たちがほしいものをくれるような存在です。
例えば、背中の痛みがあるのであれば、それに助けになるようなアプローチ方法、薬をくれる。
例えば、病気などをして、少しまだ体調不良が万全に戻っていない時のアプローチ方法。
例えば、頭痛があれば、完全に違うコースが準備されています。
またこの本の話に戻りますけれども、ギータジーが成し遂げたこと。
彼女が成し遂げてくれたことというのは、女性がどのステージで、どのような状況にあったとしても、それぞれに応じたヨガのやり方を本で明らかにしてくれる。
例えば今のウパビシュタコーナアーサナであれば、マインドに静寂が必要だなと思ったら、右に入ったようなアプローチ方法がいいですし、しっかり捻りを効かせてアプローチをしたい、それが必要だという時は、左でやったようなアプローチ方法ですればいい。
女性にとってわたしたちは、日常、日々の単位でいろんなことが起きています。

ヴィーラアーサナで座ります。
ホルモンの変化というのも、日の単位で起きていますね。
科学的な変化が体の体内の中で起こっている。
ですから女性のわたしたちは責任があるんです。その置かれた状況を理解して,それに応じて責任ある行動を取る。
少しここで座っています。
出てきます。

皆さん、セツバンダサルヴァンガーサナできますか。
ベンチを使ったサポートのあるセツバンダでもいいですし、ボルスターでもよい。
あるいは膝が曲がったプロップスなしのものでもいいです。
自分が知っているセツバンダサルヴァンガーサナをしてください。
プロップスを使っても使ってなくてもいいです。
月経中の方は、サポートを使ってください。
セツバンダサルヴァンガーサナのセットアップがよくわからなくなったら、ブロックを一つ使ったセツバンダでもいいです。

女性というのは、スタミナそのもの、スタミナを持つ、スタミナが表現されているものです。
女性というのは、スタミナを表現している生き物である。
例えば、出産はスタミナがなければできません。
栄養を与えるということも、スタミナがなければできない。
体、運動するということがスタミナの全てではない。
私が言っているこのスタミナというのは、肉体レベルではないです。例えば、ジョギング、走ることを言って、スタミナ出てくるんだよねといっても、それは単純に足を強くしているだけでスタミナではない。
スタミナというのは、本来のスタミナというのは、エネルギーからきている。
このエネルギーというのが、一定のアサナが呼び起こしている。
もちろん、そのエネルギーのチャンネルを開花させてくれる一番ショートカットというのは、何か自分の大好きなことをやるということですよね。
愛があるところというのは、わたしたちは簡単にリチャージできます。
そうでなければ、アサナの練習がいいでしょう。ある一定のアサナをすると、体のエネルギーチャネルが開花させる。

みんな、肩を首から離すように回転。
使っているサポートの方向へ、つまり肩をボルスターやベンチのほうにしっかり動かす。
首を浮かすことなく、肩甲骨を体の中に引き込みます、引き上げます。
足の背面側は降りていく。
脇胸のところ、体側の脇、脇胸のところ、それが前に。そして上へと上がってこなければいけない。
目は胸を見ている。
吐く息で顔や脳を和らげてリラックスする。
吸う息で肩甲骨の上をウエストのほうにしっかり入れていく。


セツバンダサルヴァンガーサナのセットアップ


アサナによって、例えばシルシャアーサナとかセツバンダーサナ、サルヴァンガアーサナですね。機械をチャージするように、自分自身のエネルギーをチャージしてくれます。
なぜなら、慌ただしい日常というのは、私たち自身の、自分のための時間というのがほとんどありません。 ですから、たったの45分の練習であったとしても、その一日のエネルギーを私たちのエネルギーをチャージしてくれます。

ギータジーのお話をしました。
少女時代は病弱で、そして亡くなるまでヨガが全て彼女の目的であったという人生。
ヨガの目的とは、という一つの筋が、糸が、生まれた時から亡くなるまで絶えることがなかった。
献身ですね。
献身、つまり非常にコミットされたゆるぎない献身。
彼女の行動と考えているのは、一度足りとも逸れたことがない。

皆さんのリラックス状態から少し目覚めさせますね。
生理中の方はスワスティカアーサナかバッダコーナアーサナを取ります。
他の方はここから、片足を持ち上げてエーカパーダ。
マインドでは皆さん、アビジャータが今エーカーパーダと言ったから私はエーカパーダしようと思っているかもしれない。
今、右足の背面を完全に伸ばしてほしい。
右の鼠蹊部と右前太ももの付け根は下に下ろす。それ以外は上に引き上げる。
右膝小僧をグリップする。
完全にグリップして、ギータ先生の人生のように。
解放。



皆さんはギータジーが書いたこの本、このイベントに献身しているわけですね。
次の10分、たったの10分です。
少なくともこの10分は、それぐらいは集中して、献身できるはずです。

左足。
エーカパーダ入る時は必ず曲げてから伸ばしてください。
まっすぐで入ってはいけない。
左前太ももの付け根は自分から離す、左の踵を引き上げる。
左の膝裏、左の太ももの背面を広く、そしてうち足長く。
左の土踏まずからエネルギーを二分化する。土踏まずからつま先へ伸ばす。土踏まずから踵へ伸ばす。
膝小僧を5秒間、完全にグリップして固くします。そうしたらポーズから出てきます。
プロップスからスライドして出てきます。

皆さん、アイアンガーヨガというのは正確性、それからホールドの時間、シークエンスなどのいろいろな決まりというか、考えがあるというのをご存知です。
しかし、大事なのは、なぜそれらがあるかということを理解しているか。
その今言った、3点というのは、そのアサナの練習だけではなくて、人生すべてにおいて大切だということを知っておくべきです。

座りましょう。
例えばCOVIDが起こりました。
その期間において、わたしたちは全て人生、生活を適応していかなればいけないです。
正確性というのは、ルールにはここにはならない。
まずは分析をして、それに対して行為、行動を決める。
ここに正確性がなければいけない。
ギータジーがある生徒さんを「この生徒さんはプロップスなしでウールドヴァダヌラーサナをしなければいけない」と教えている時があった。
しかしある時、ある生徒に向かって「この生徒さんは絶対にスツールを使ってポーズを取らなきゃいけないんだ」というふうにおっしゃった時がある。
そして私にも言いました、「絶対に毎日練習をしなさい」。
練習は絶対にサボってはいけない、ミスしてはいけませんというギータジーの教えがあり、子供が病気のときに私が練習に行った時に、逆に叱られました。 
つまり、ある生徒には絶対にさぼっちゃいけません、毎日来なさいと言って、ある生徒にはなんで来たのと叱りました。
そこにある論理というのは一緒ですね。あなたがやるべきことに向き合いなさいという教え。
彼女のティーティングというのは、ここに対する正確性なのです。


アビジャータ


シャバーサナに入ります。

アサナというのは、ある程度意志で入ることができます。これをすべきだ、よしやるぞという、その意志。
しかし、その質はシャバーサナではうまくいきません。
ああ、シャバーサナでリラックスしなければいけないと思ったら、おそらく成功はないでしょう。
女性のエネルギーには、柔軟性というものがあります。
状況に応じて、頑固さを持つ時と、状況に応じて頑固を手放す。
ある生徒さんがギータジーに言いました、「私は体が硬いからバックベンドは全部できません」。
ギータジーはおっしゃいました、「柔軟性というのは、体は最初必要ないのだよ。柔軟性はマインドになければいけない」とおっしゃいました。
女性に授けられた質として、体にもマインドにも、私たちには柔軟性という質を備えてあります。
もちろん、男女平等のトピックがあったとしても、私たちは根底に男性特有のエネルギー、女性特有のエネルギーがあるということをよく理解していなければならない。

シャバーサナでは完全に体を手放したい。
体を完全に床に手放す。
体のどこの部分にも、保とうとする力がない。
手、足、これらを完全に手放して、リラックスする。
どこにも筋肉のグリップがない状態。
顔もです。
どこにも握りしめているような質がない。
この世界に生まれてきたのは、ギフトだというような気持ちになる。
体というのは、いただいているものです。何も努力したものでなく、この体は授けられている。
この世を去る時は、体を手放す。自分のものではない。
ですから、このシャバーサナでわたしたちは学んでいる。この体は自分の所有物ではない、手放す。
ヨガというのは旅路です。
どんな旅路かというと、規律から解放、自由さへ。
ゆっくりとシャバーサナから出てきます。


アビジャータ


タダーサナからシャバーサナというのはいわば、規律あるものから自由、解放への旅路である。
この規律を通して、規律があるからこそ、自由さを得られる。
そして、それのほうがいろいろ取り組みやすくなる。
インターネットが可能にしてくれますね、インドに座りながら日本人の生徒さんとこうして繋がれること。
そのようにグルジやギータジーのティーチングというのが、テクノロジーを通して私たちと共にある。
私たちの人生がより健全で健康で、健やかに生きられるようにこのテクノロジーというか教え、知恵があります。
そして、皆さんの体験がこの本の教えとつながっているように、それを願います。
そして、この本が皆さんの発展に貢献できることを願っています。
よい人間としての成長。
そして女性として。
地球の将来、平和な地球、これの責任を担っているのは一人一人の私たちです。
一人一人の女性、ここに責任がある。
皆さんよき日を過ごされることをお祈りしています。
ありがとうございました。

おめでとうございます。
みなさんの母国語でこの本が出版されたことを、心より祝福します。
古くから、昔からいらっしゃる日本の生徒さんと話す機会があったのですが、その生徒さんは英語ができなかったのでいつも言葉が壁だと。
見て勉強はできるけれど、言語にチャレンジを感じていたというエピソードも聞いています。
今、この母国語で訳された本があるわけですから、これと共に皆さんのヨガの旅路がよりよいハッピーな人生のツールとなって、役立てていただけたらと思います。
ありがとうございます。



【UTL】 
アビジャータ先生、さおり先生、ミキコさん、本日はありがとうございました。
ご参加の皆さんもありがとうございました。
最後になりましたが、日本語出版にあたり、翻訳や本日の開催までご尽力いただきました、松田和美先生。

【和美さん】
皆さんがこのように、皆さん一人一人のご協力があって、出版もできて、このようなイベントも開催できて、本当に嬉しく思います。ありがとうございました。

【UTL】
ありがとうございました。
書籍をまだお持ちでない方は是非、Amazonよりご購入ください。
では、これにて終了とさせていただきたいと思います。
録画動画はご予約のメールアドレスへアーカイブをお知らせします。
1ヶ月の視聴期間を設けられていますので、是非ご覧ください。
アビジャータ先生、ありがとうございました。