住吉美紀 × UTLスクールマネージャー 守田敦子 対談 #2

数千年前から連綿と受け継がれてきたヨガですが、ヨガを取り巻く環境は移り変わり、コロナ禍で一層顕著になっています。ヨガに対するニーズはどのように変わり、またUTLが向かうその先とは。UTLスクールマネージャーの守田敦子さんと、フリーアナウンサーでヨガの指導者資格を持つ住吉美紀にうかがいました。

瞑想や呼吸法が自然と求められる時代に

― 守田さんは長くUTLの運営に携わっていますが、最近になって感じる「変化」とは?

守田 TTに携わってくださる先生や、軸となる部分に大きな変化はなく、私たちが「これが必要」と思うものをアップデートしながら作っています。その中で変化を挙げるなら「瞑想」という言葉が使いやすくなったこと。これは時代的にすごく感じるところですね。5、6年の間に瞑想、そして呼吸法も取り上げられることが多くなって、私たちがTTをスタートした頃はあまり言えなかった部分というか、当時はアーサナ(ポーズ)のような西洋的なアプローチがメインでした。今では生徒さんの関心も高く、TTで呼吸法と瞑想を実践する時間が増えました。ヨガの認知度や求められるものが変わってきたのだと思います。変わらないと思っていたことも、こうやって変わっていくものなんだなって、思います。

住吉 それはメディアの中でも顕著に感じますよ。私がヨガを始めた頃は、まだ番組の企画でヨガや瞑想を提案しても首を傾げられました。今はむしろヨガのことを話してほしいと頼まれるようになって。20年くらいでこんなにも変わるのかと。



― では、コロナ禍になってお二人が感じていることは?

守田 昔からUTLのヨガクラスを受けてくださる方は、ヨガを知りたいという気持ちや、探究心の強い方が多かったと思います。コロナになって自宅で生活する時間が増え、同時にオンラインでヨガコンテンツが提供されるようになり、心身を整えるセルフメンテナンスのツールとしてヨガを試す機会が増えているのでは。「呼吸法や瞑想がとても役立つみたい」と認識してくれる方の増加も感じます。あとは「瞑想がなぜいいのだろう」と興味を持ち、インストラクターになりたいわけではないけれどTTに参加してくれる男性の受講生も増えています。

住吉 いままでヨガや呼吸法を実践していたのはヘルスコンシャスな方が中心で、社会全体がこれほど健康に気を遣って生活することはなかったですよね。私はコロナに罹患したので「健康ってありがたい」とものすごく感じているわけですが、罹患していなくても感染しないためにいかにして日常の健康を保つか、免疫力を上げるにはどうすればいいか。精神面の健康維持が難しいなかでどうやって自分を守るのか。一人ひとりが考えたと思います。以前からヨガに触れていた方は「ヨガはやっぱり役に立つ」と実感し、触れてこなかった方の中にも「精神面の健康維持などにヨガが役に立つ」と気付いた方は多かったのではないでしょうか。

守田 ヨガはマット1枚あれば家の中でも十分実践できるので、ステイホームの時期に始めた方は多いと思います。

住吉 そうですね。UTLはコロナを機にオンラインでもいろいろなことを実現し、自宅でヨガをする機会を提供されていますね。月額制の「ヨガ放題」というオンラインヨガサービスのほかに、TTもオンラインとスタジオの講義をミックスして。あと「オーガニックライフTOKYO」のオンライン開催も好評だったそうですね。

守田 はい。オンライン化の準備は大変でしたが軌道に乗せることができ、100%オンラインで行った2021年の「オーガニックライフTOKYO」は、20ヵ国から23,376名の方にご参加いただきました!

ヨガを深く知りたいとき、最初に名前が浮かぶスクールでありたい

― これから先、UTLの運営者として何を大切に、どんなヨガスクールを目指していきたいですか? 守田さんの思いを聞かせてください!

守田 ずいぶん前になりますが、UTLをチェーン展開する話が出たんですね。ですが、そうなってくるとクオリティを保つためにマニュアルを作らなければなりません。マニュアルで運営すると、先生自身がそれに頼ってしまい、自分で考えてバランスを取ることが難しくなります。やはり代々木のこの場所だけで、ここにスペシャルな先生たちを集めて、本当にいいと思うクラスをやってもらおうと。その部分を大切にしてきました。全国展開しているヨガスクールに比べて認知度の部分では弱いかもしれませんが。


― オンライン化が実現して全国の人たちがヨガクラスやTTに参加できるようになったことは、UTLの認知度アップにつながったのでは?

守田 確かにそうですね。UTLに通える距離に住んでいる方には、「UTLはすごいらしいよ」「良い先生がいるらしいよ」と言っていただくのですが。遠方の方にはなかなか届かず、届いたとしても実際に通うのはいままでは難しかったわけです。オンラインを活用してくださるようになった今では、20都道府県からTTに参加していただいています。「オーガニックライフTOKYO」もオンライン開催によって遠くて足を運べなかった方たちにご参加いただき、「とても楽しかったです!」という声が届いています。学ぶことに熱心で、ヨガの楽しさを全開で発信している先生たちにライブで会っていただける時間を、距離を超えて提供できるようになったのはオンラインの大きなメリットだと思います。

住吉 私もオンラインヨガクラスに参加してみて、スタジオクラスとはまったく違う「これはこれで素敵な別物!」という魅力があると思いました。家で本当にリラックスして練習できるし、ちょっとした空き時間に深い練習ができる。”コロナのおかげ”で新しい価値もこうして生み出されているんだ、と感じています。初心者にとっても良いきっかけですよね。

守田 そうですね。UTLが提供するヨガは本当にベーシックな内容で、いまどき珍しいかもしれません。ヨガに興味を持ってもらう入口として、美容やフィットネスの要素が強いクラスを提供するヨガスクールは多いですから。UTLはその先、つまりヨガに対する興味が深まり「ヨガって何だろう?」となったときに、「アンダーザライトがあるらしいよ」と最初に思い出してもらえて、スタジオやオンラインでもヨガの本質を学べるスクールであり続けたいと思います。



住吉 美紀
フリーアナウンサー/文筆家
小学時代はアメリカ・シアトル、高校時代はカナダ・バンクーバーで暮らす。国際基督教大学(ICU)卒業後、15年間、NHKアナウンサーとして「プロフェッショナル 仕事の流儀」キャスター、「第58回NHK紅白歌合戦」総合司会のほか、海外取材や音楽番組、インタビューや中継番組など多分野にわたって担当。2012年からはTokyo FM朝の情報ワイド番組「Blue Ocean」(月~金、9:00~11:00)のパーソナリティーを務め、気づけばラジオはライフワークに。2020年より夫とオープンしたカフェ「ミアヴァート珈琲」では店のプロデュースや焼菓子製作などを担当している。シヴァナンダヨガ正式指導者資格、NARD JAPAN認定アロマアドバイザー資格保有。著書に「自分へのごほうび」(幻冬舎)。茶道、着物、音楽、ネコを愛する。

守田敦子
UTLスクール統括マネージャー、オーガニックライフTOKYO事務局長、E-RYT500


#1 受付スタッフから「ヨガの場所」を作る運営者へ
#2 瞑想や呼吸法が自然と求められる時代に