ヨガマットのアップサイクル 後編
ヨガマットをアップサイクルするプロジェクト『satanama sandal』。
UTLのシニアヨガティーチャー・HIKARU先生と工房を訪ね、彼らの想いを通じて、私たちが継続してできることを考えてみました。
デザイナーの”のんたん”こと山本倫広さん(上)
自身もヨギーでありDJ・ダンサー・BRIGHTON Studio DAIKANYAMAオーナーの宮 聡さん(中央)
ヨガインストラクター・BRIGHTON Studio DAIKANYAMAディレクターのMaiko Kurataさん(下)
「気づき」のきっかけ
宮さんに、このプロジェクトで大切にしていることを聞いてみました。
「このプロジェクトが、私たちの日々の生活の中において“一つの気づきのプロジェクト”になることが大切だと考えています。もちろん売上げを伸ばすことは大切ですが、あくまでも活動を広げ持続させていくための収益として考えています。誰かがこのプロジェクトを目にした際に、“自分たちにもできることってあるよね” と気づき、日常での一つ一つの行動に意思を持つようになる、そんなきっかけになれたらと思っています。」
早速アップサイクルされたサンダルをHIKARU先生に履いてもらうと「この足裏の感触よく知ってて安心する。すごく気持ちいい!」と嬉しそう。
目指すゴール
最後に、宮さんにsatanama sandalの目指すところを聞いてみました。
「ゴールをきめてはいませんが、現在のプロジェクトだけを考えると、日本ひいては世界のヨガマットが、ヨガマットのまま捨てられなくなることです。大切なのは『社会が抱える課題が、良い方向に解決に向かうこと』であり、結果、発信地は私たちじゃなくてもよいと考えていています。
そして、僕たちがこのプロジェクトを通じて、Maiko先生がよく言う“TAKE ACTION(行動する)”を伝え続けていくことです。日々の暮らしのどんな小さなことでも『意思をもって行動する』ことを大切に暮らすことを目指して、これからも発信し続けていきたいと考えています。」
私たちの持続可能な開発目標
僕自身、Maikoさんがマイマグを持ち歩きどこでもそれを利用しているところから、それを真似するようになりました。小さな小さな積み重ねは、意外と社会の課題解決のカギになると考えています。
SDGs17項目のどれに当てはまるかはわからないのですが、自分の意思を持った「意識と行動の変化」は、身近な方にも派生していくものだと、経験として実感しています。
また、それにより些細なことでも大切な事だと思え、責任感も生まれます。
そうすると、“社会の中で生きる自分の存在の価値”に気づいたり“生きがい”にまで繋がって行くのではないかなと考えています。
皆さん同様、僕は、ヨガを通じて日々の練習や哲学に触れることから、嘘偽りなく人生がとても豊かになったなと実感しています。いつか皆さんとも一緒に練習できる日が来ると信じて精進します!(宮 聡)
個々の活動があり、お互いの得意分野を尊重しながら、熱い思いを寄せ合ってクリエイトされているのがとても印象的でした。Maiko先生とは十数年ぶりの再会、アップサイクルされたUTLのマットとの再会も相まって、とても懐かしい気持ちになりました。のんたんが手を動かしながらこだわりの部材や工程を見せてくれると、ついついこちらも何かアイディアを出したい気分になっちゃいました!
宮さんがおっしゃる“小さな積み重ね”は、きっと日常の中で何か気になること、時には不快なこと、いまいち納得できないことなどにヒントが隠れていて、私たちはまずはそれらに向き合ってみることから始められるといいのかな、と思いました。
そして様々な角度から考察していくうちに、今の私が意識をすると良さそうなことは何かな?始められることは?続けられることは?などの問いかけに発展していきそうです。
“誠意を持って今の私がするべき行いをする”、これも大切なヨガの実践方法の一つなんですね。
日々のヨガの練習で慣れ親しんだ足裏の感覚を、サンダルとして楽しむ期間を延長できるのも良し、逆にsatanama sandalに出会ったことがきっかけとなって、ヨガを始めてみようかな?と思う人が増えていくのも楽しみです!
(HIKARU)