住吉美紀 × HIKARU 対談 #1

アンダーザライトヨガスクール(UTL)のティーチャートレーニング(TT)でリードトレーナーを務めるヒカルさんと、フリーアナウンサーでヨガの指導者資格を持つ住吉美紀さんは旧知の仲。お二人の対談を4回にわたってお届けします。一回目は、出会いのきっかけや、TT受講時の思い出を振り返ってもらいました。

ヨガクラスで出会い、互いの「存在」に惹かれて

― ヒカルさんと住吉さんは、とても親しい間柄だと聞きました。お二人が出会ったきっかけは?

住吉  ヒカルさんと知り合って、かれこれ20年近くになりますね。

ヒカル そう、本当に親しくさせてもらっています。

住吉  私はいろいろな健康法を探していたなかでヨガに出会いました。まだヨガを専門に学べる場は少なく、公民館に集まってヨガをする人が増え始めたくらいの時期です。そんな中、通い始めたのが恵比寿にあるヨガスタジオで、「良いクラスあるかな」と思って、たまたま受けたのがヒカルさんのクラスでした。

ヒカル よく覚えていますよ。私は急激にヨガにハマり始めて数年くらいでした。住吉さんはクラスで目立つ存在でしたが、私は家にテレビがなかったので、当時、住吉さんがNHKのアナウンサーだとは存じ上げなくて。一人の生徒さんとして迎え、クラス後に的を射た質の高い質問をしてくれるのが本当に印象的でした。


住吉  ヒカルさんと同じで私も興味のあることに深くハマるタイプ。ヨガが面白くなってきていっぱい質問したいことがあったのを覚えています。その頃のヒカルさんはロングヘアを三つ編みにして、ナチュラル感あふれるいでたちで、普段周りにいないタイプの方だなって思いました。私は海外に住んでいたこともあり、英語と日本語をミックスしたシームレスなクラスの雰囲気も心地良くて。それに生き物で例えると象のような、落ち着いたテンポと、低めの声のトーンにすごく癒され、私は「ヒカルさんの存在」にハマったんです。

ヒカル そう言ってもらえると嬉しいです!

知るほどに学び深めたくなるヨガ。そしてTTへ

― その後、お二人はTTを受講していますね。住吉さんはどのような経緯で?

住吉  ヒカルさんが週末に担当していたヨガ哲学の特別授業に参加したところ、ヨガは身体を動かすだけじゃないことを知りました。もっともっと深くて大きくて、実は、我々がどういう存在なのかとか、体と心の関係性、バランスを保ちながら生きていく上で拠り所になる知恵や考え方がいっぱい詰まっていそうだぞと感じて、強い興味が湧いたんです。それでますますヨガにハマり、もっと勉強したいという気持ちが強くなって。私がTTを受けてみようと思ったのは、完全にヒカルさんの影響です。

ヒカル そうなんですね!最初に受けたTTは日常の仕事や生活を続けながら、少しずつ学ぶというコースでしたよね。

住吉  そう、土日集中で、半年くらいかけて学ぶコースでした。その後、NHKを辞めてスケジュールが自由になったので、ヒカルさんが受けたのと同じ、海外で開催されるシヴァナンダのヨガキャンプに参加したんです。1ヵ月間どっぷりの!カナダにあるアシュラムに寝泊まりして、完全なヴィーガン食から、哲学の勉強、奉仕活動やサットサンガまで、24時間ヨガに浸るコースでした。今思い出しても行ってよかったと思います。

ヒカル カナダのアシュラムは結構モダンで、インターネットが使えましたよね。そのとき私はアメリカにいて、「どうしているかな……」と思ってやりとりをしたのを覚えています。

住吉  ヒカルさんに出会っていなければ、私にとってヨガはフィットネスの方法で終わり、こんなに長く付き合っていくものにはならなかったかも。どんな先生と出会うかはすごく重要だと思います。

ヒカル どのタイミングで出会うかも重要!

住吉  人生で、求めているときにちょうど出会うことって、ありますよね。

― 一方のヒカルさんは、どのようなタイミングでTTに?

ヒカル 私はTTという存在を知る前に教え始めていたんです。指導の場はヨガスタジオではなく、最初の生徒さんは私が習っていたアフリカの太鼓の先生で、次は腰痛に悩んでいたヘアスタイリストさん。一対一のプライベートレッスンを自宅で始め、それが口コミで広がって生徒さんの数が増え、同時に国内にヨガブームが到来した感じです。そのうちにどうやらティーチャートレーニングという指導者養成コースがあることがわかって、そのタイミングで。指導を始めてから数年後に受講しました。

住吉  私が受けたのと同じ、シヴァナンダヨガのTTですよね。世界中のいろいろなところで、同じ手法で開催されているものですね。

ヒカル そうそう。少し独特なTTですよね。Tシャツとパンツを2枚ずつ渡され、それをとっかえひっかえ手洗いして1ヵ月間生活するという(笑)。早朝から晩まで次から次にやることがあって。一定期間、精神の限界までひとつのことにフォーカスして挑戦するのは大変だったけどやってよかったです。やらなくてはいけないという義務感ではなく、自分で選んでやってみたというのが、すごくよかった。


― TTではヨガの学び以外にも収穫はありましたか?

住吉  一緒に学んだ同級生との繋がりです。カナダでのTTには私以外にもう一人、日本人の女性が参加していて、彼女とは今もFacebookでコメントし合っていますよ。ヒカルさんは?

ヒカル 私が参加したのはスペインで行われたTTで、キャンプ場のような所に即席で作った会場が1ヵ月限定でTTのセンターになるんですね。今のようにSNSが発達していない時代なので、卒業後は同級生とは疎遠になってしまって。だから同級生と切磋琢磨し、卒業後も共に練習を重ねるUTLの卒業生たちを見ると、本当にうらやましくもあり、それがTTの良いところだと思います。(#2 に続きます



住吉 美紀
フリーアナウンサー/文筆家
小学時代はアメリカ・シアトル、高校時代はカナダ・バンクーバーで暮らす。国際基督教大学(ICU)卒業後、15年間、NHKアナウンサーとして「プロフェッショナル 仕事の流儀」キャスター、「第58回NHK紅白歌合戦」総合司会のほか、海外取材や音楽番組、インタビューや中継番組など多分野にわたって担当。2012年からはTokyo FM朝の情報ワイド番組「Blue Ocean」(月~金、9:00~11:00)のパーソナリティーを務め、気づけばラジオはライフワークに。2020年より夫とオープンしたカフェ「ミアヴァート珈琲」では店のプロデュースや焼菓子製作などを担当している。シヴァナンダヨガ正式指導者資格、NARD JAPAN認定アロマアドバイザー資格保有。著書に「自分へのごほうび」(幻冬舎)。茶道、着物、音楽、ネコを愛する。

HIKARU
ヨガ講師、アーユルヴェーダ・カウンセラー
アンダーザライト ヨガスクールで指導者養成コースのリードトレーナーを担当。シヴァナンダヨガ正式指導者。
AyuSyaでは、ヨガとアーユルヴェーダの叡智を統合させたセルフケアの方法を提供する。 著書に「やさしいヨガ」「はじめてのヨガ 」「はじめてのアーユルヴェーダ」「体が硬い人のヨガ入門」(以上、主婦の友社)等。


#1 ヨガクラスで出会い、互いの「存在」に惹かれて
#2 受講動機を問わず、必ず身になる「学び」がある
#3 疑問と共に踏み出した、TT指導者への一歩
#4 この先もオンラインとスタジオの両者の良さを活用